災害に対する備え
子どもと離れているときに、それは起こるかもしれません
大きな災害が起きるたび、「備えなければ」と思います。けれども、しばらくすると日々の忙しさにまぎれて、その気持ちは薄れていきます。私たち自身も、同じです。だから、いま知っておきたいことをこのページにまとめてみました。
内容は、政府や内閣府、さいたま市が公開している情報と、同じように子どもを育てている保護者として、気になったことです。一度に全部そろえられるものではありません。できるところから、少しずつ。
まず、この3つから
家の中を安全にする
家具を固定する。寝ている場所の周りに倒れてくるものを置かない。これがいちばん効きます。
逃げる場所を決める
近くの避難場所と避難所、そこまでの道を家族で歩いて確かめておきましょう。
連絡の方法を決める
電話はつながりません。どこで落ち合うか、どうやって安否を伝えるかを先に決めておきます。
家庭でできる備え
家の中の安全対策 —— 数字が語っています
さいたま市は、阪神・淡路大震災について「死亡原因の9割近くが、家屋の倒壊や家具類の転倒による圧迫・窒息死」「怪我の原因では、家具の転倒や落下が5割、割れたガラスが3割」と紹介しています。逆に言えば、家の中を整えておくだけで、助かる可能性は大きく変わります。
- 背の高い家具は固定する。とくに寝室と、子ども部屋。夜中に起きた地震で、逃げる前に下敷きになってしまわないように
- ガラスの飛散対策を。窓や食器棚に飛散防止フィルムを貼る。停電した暗闇の中を、割れたガラスの上を歩くことになります。枕元にスリッパか靴を置いておくのも有効です
- 逃げ道をふさがない。廊下や玄関に物を積まない。ドアが開かなくなると、それだけで閉じ込められます
- 子どもの目線で見てみる。大人には低く見える棚も、子どもの背丈では頭の上です。しゃがんで部屋を見渡すと、危険な場所が見えてきます
※点検のポイントはさいたま市「家庭での備えを!」に「わが家の点検」としてまとまっています。
「避難場所」と「避難所」はちがいます
似た言葉ですが、役割がまったく違います。ここを取り違えると、いざというときに迷います。
- 指定緊急避難場所=命を守るために、いますぐ逃げる場所。地震・洪水・大火災など災害の種類ごとに指定されています。「地震では使えるが、洪水では使えない」場所があるので要注意です
- 指定避難所=家を失った人が、しばらく生活する場所。さいたま市では市立の学校などが指定されています。つまり、多くの場合お子さんの通う学校です
- 自治会ごとに避難する避難所の取り決めがありますが、該当外の人も受け入れられます。状況によっては最寄りの避難所へ
※お住まいの近くの場所はさいたま市「避難場所・応急給水場所はどこ?」で調べられます。
備蓄と持ち出し品 —— 子どもがいる家庭で忘れがちなもの
備蓄は最低3日分、できれば1週間分が目安です。特別なものを買い揃えるより、ふだん食べているものを少し多めに買って、古いものから使っていくやり方(ローリングストック)のほうが続きます。そのうえで、子どものいる家庭にはこんな備えが要ります。
- 年齢に合った食べもの。ミルク・液体ミルク・離乳食・アレルギー対応食。大人用の非常食は、小さな子には食べられないことがあります
- おむつ・おしりふき・生理用品。サイズが変わるので、備蓄も定期的に入れ替えを
- 常備薬とお薬手帳のコピー。持病やアレルギーのある子は、内容を書いたメモを持ち物に入れておくと、離れていても誰かが気づけます
- 子どもの気持ちを支えるもの。お気に入りの絵本、小さなおもちゃ、あめ。避難生活では、これが想像以上に効きます
- 10円玉と公衆電話の場所。停電・輻輳のときも公衆電話はつながりやすく、子どもでもかけられます。家の番号を暗記させておくことも忘れずに
- 子どもの写真。はぐれたときに、人に見せて探してもらえます。スマホが使えないことも想定して、紙でも1枚
連絡方法を、いま決めておく
災害時、電話はまずつながりません。「つながらない前提」で決めておくのが備えです。
- 災害用伝言ダイヤル「171」とウェブ171を家族の合言葉にする。「つながらなかったら171」と決めておくだけで、探し合う時間が減ります
- 体験利用の日に、家族で練習を。毎月1日・15日、正月3が日、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)に体験できます。使ったことのない仕組みは、本番では使えません
- 遠くの親戚を「中継役」に。被災地の中では電話がつながらなくても、遠方とはつながることがあります。「困ったらおばあちゃんの家に伝える」と決めておく方法です
- スマホの電池を守る。モバイルバッテリーを常に充電しておく。連絡がとれることは、それだけで安心につながります
※各社のサービスと体験利用日はさいたま市「災害用伝言サービス」にまとまっています。
情報の受け取り方を用意しておく
さいたま市は避難情報や防災情報を届けるさいたま市防災アプリを提供しています。入れておくだけで、いざというときの情報源になります。今日できることの筆頭です。
子どもを守る保護者として
ここからが、私たちがいちばんお伝えしたいことです。災害は、家族がそろっているときに来るとは限りません。平日の昼間なら、子どもは学校、保護者は職場。夕方なら、子どもは学童や習い事、あるいは家で留守番かもしれません。「離れているときに起きる」を前提に考える——これが、保護者の備えの出発点です。
学校の引き渡しルールを、いま確認する
学校で災害が起きたとき、子どもをどう保護者に引き渡すかは、学校ごとにルールが決められています。そして多くの場合、そのルールは年度初めのプリント1枚で配られ、そのまま引き出しの奥に眠っています。今のうちに、次のことを確認しておきましょう。
- どういうときに「引き渡し」になり、どういうときに「学校待機」になるのか。震度いくつで、といった基準が決まっていることが多いです
- 誰が迎えに行けるのか。引き渡しカードに書いた人以外には引き渡されません。祖父母や近所の方など、実際に来られる人を登録できているかを見直しましょう
- きょうだいが別の学校にいるときは、どちらから回るのか。あらかじめ順番を決めておくと迷いません
- 誰も迎えに行けないときはどうなるのか。ここを知っているだけで、覚悟が変わります
※運用は学校ごとに異なります。手元の資料が見当たらないときは、遠慮なく学校にお問い合わせください。「引き渡し訓練」がある学校では、ぜひ参加を。
通学路を、親子で歩いてみる
子どもが毎日通る道は、災害時には子どもが自力で歩く道になります。休みの日に、一緒に歩いてみてください。「危ないね」と口に出しながら歩くだけで、子どもの中に地図ができます。
- 倒れてきそうなもの——古いブロック塀、自動販売機、看板、電柱。過去の地震では、ブロック塀の倒壊で登校中の子どもが亡くなっています
- 割れて落ちてきそうなもの——大きなガラス張りの建物、ビルの窓
- 水がたまりやすい場所——アンダーパス、線路や道路の下をくぐる道。大雨のときは近づかない約束を
- 逃げ込める場所——学校、公園、コンビニ、「子ども110番の家」。危ない場所だけでなく、安全な場所を教えておくことが大切です
※ブロック塀の点検についてはさいたま市「補強コンクリートブロック塀等の点検について」もご覧ください。
はぐれたときの「約束」を決めておく
- 集合場所を2か所決める。「家」と「家がだめなときの場所」。子どもが一人でもたどり着ける場所にしてください
- 「動かずに待つ」を教える。探し合ってすれ違うのがいちばん困ります。学校にいるなら学校で、避難所にいるなら避難所で待つ。必ず迎えに行くと伝えておくことが、子どもの支えになります
- 頼っていい大人を教える。先生、消防や警察の人、避難所の運営の人。「知らない人には付いていかない」と同時に、「困ったら大人に助けを求めていい」も伝えてください
- 自分の名前・住所・電話番号を言えるように。小さなお子さんは、名札やお守り袋にメモを入れておく方法もあります
子どもの心を守る
災害のあとは、ニュースやインターネットを通じて、被災地の映像や情報に触れる機会が増えます。大人が落ち着いて状況を受け止め、子どもの様子に目を配りながら接することが、子どもたちの安心につながります。ニュースや映像への触れ方も、それぞれのご家庭で子どもの年齢や様子に合わせて、無理のない形で向き合っていただければと思います。
- 繰り返し流れる映像から、少し距離を。同じ場面を何度も見ることは、小さな子どもには負担になります
- 不安を口にしたら、否定せずに聞く。「大丈夫だよ」で終わらせず、そう感じるのは自然なことだと伝えてあげてください
- いつもの生活を保つ。食事や就寝の時間が変わらないこと自体が、子どもにとっての安心になります
- 気になる様子が続くときは、担任の先生やスクールカウンセラーに相談を。一人で抱え込まないでください
PTAだからできること
- 学校の防災の取り組みを知り、伝える。備蓄はあるのか、引き渡しはどう動くのか。役員として知ったことを保護者に共有するだけでも、大きな備えになります
- 地域とつながっておく。指定避難所は学校です。自治会や自主防災組織と顔の見える関係があることが、そのまま災害時の力になります
- 学校や地域の防災訓練に参加する。PTAとして参加すれば、保護者としての視点を訓練に持ち込めます
- 広報紙やたよりで、思い出すきっかけをつくる。忘れてしまうのが人です。年に一度でも話題にすることに意味があります
わが家の学区を知る —— 防災カルテ
さいたま市は被害想定調査の結果を、市民にわかりやすく伝えるため「さいたま市防災カルテ」を市・区・中学校区の3部構成で公開しています。中学校区ごと——つまり、私たちの学区の単位で、揺れやすさや被害の想定がまとめられているということです。
市内には66の中学校区分のカルテがあります。「さいたま市は災害が少ない」と漠然と思っている方こそ、ご自分の学区のページを一度開いてみてください。自分の住む場所の話になると、備えは急に自分ごとになります。
- さいたま市被害想定調査(防災カルテ) —— 市・区・中学校区の3部構成。区のページから、お子さんの通う中学校区を探せます
- 同じページから「さいたま市地図情報(防災まちづくり情報マップ)」にもたどれます。土砂災害・洪水・液状化危険度の分布図を、拡大しながら自宅や通学路の単位で確認できます
参加してみる —— 防災訓練
読むだけでなく、体を動かして覚える機会もあります。さいたま市では毎年、いくつもの防災訓練が行われています。
- さいたま市総合防災訓練・防災フェア——九都県市合同防災訓練のさいたま市会場として、さいたま市直下地震を想定した実働訓練が行われます。あわせて開かれる防災フェアには、親子で参加できる体験・展示のコーナーがあります
- シェイクアウト訓練——防災週間(8月30日〜9月5日)に合わせ、決めた日時に「ドロップ(姿勢を低く)・カバー(体と頭を守って)・ホールド・オン(揺れが収まるまでじっとする)」を約1分間行う一斉訓練です。学校・企業・団体の単位で申し込めて、費用もかかりません。PTAとして手を挙げやすい訓練です
- 避難所運営訓練——市内の指定避難所200か所に避難所運営委員会が置かれ、地域住民が主体となって訓練を行っています。避難者の受付、居住区画の設置、段ボールベッドの組立、炊き出しなど。その避難所は、多くの場合お子さんの学校です。顔の見える関係をつくっておく意味でも、PTAから参加する価値があります
※日程・会場・内容は年度ごとに決まります。最新の情報はさいたま市「防災訓練・イベント・セミナー」でご確認ください。
もっと知る
- 政府広報オンライン「緊急地震速報」と「津波警報」等 いざそのとき、身を守るために! —— 「日頃の備えで大事なことは?」の節に、家庭の備えが動画つきでまとまっています
- 内閣府 防災情報のページ —— 国の防災情報の総合窓口。最新の災害情報や各種ガイドラインはこちらから
- さいたま市防災ガイドブック —— 全世帯に配布された冊子のデータ版。「防災・緊急時安心カード」や指定緊急避難場所・指定避難所一覧も収録。日本語のほか英語・中国語・韓国朝鮮語版があります
- さいたま市防災アプリ —— 避難情報や防災情報をスマートフォンで受け取れます
- 避難場所・応急給水場所はどこ?(さいたま市) —— 近くの指定緊急避難場所・指定避難所を探せます
※このページは一般的な情報提供です。実際の避難行動は、さいたま市・学校・消防など関係機関の指示に従ってください。ご不明な点は市P協事務局へお問い合わせください。
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